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レオンエンジン編・EC03/EC04
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レオンキッズカートのエンジンは30クラスが富士ロビンのEC03型、40クラスがEC04型を使用しています。ここでは、これらのエンジンの基本的なメンテナンスとセッティング方法について説明していきましょう。なお、30と40はシリンダとピストンが異なるだけで、あとの部品はすべて共通です。 現在開催されているキッズカートレースのほとんどが、エンジンの改造や純正以外へのパーツ交換を厳しく制限しています。だからといって箱出しのままで、無頓着に使っていいかというと、そういうものでもありません。あくまで使用目的はレースなのですから、成績を気にするのであれば、それなりに研究が必要です。ストックエンジンだからこそ、メンテナンスの良否で調子がかなり変わるものなのです。 いずれの項目も、馬力が目に見えて上がるようになるわけではありません。ただし、その日の気温、気圧、湿度とセッティングの組み合わせにより、タイムアップにつながることも事実です。 キッズカートレースの上位ランカー達に共通して言えることは、親子ともに、とにかく研究熱心で、努力家であることです。このことは、実はすべてのカテゴリのモータースポーツにおいて共通なことなのです。 レース規則を見ると、変更してもよいパーツが二つだけあります。(一部のクラスを除く)。プラグとメインジェットです。プラグは基本的にネジ径14mm、ネジ長12.7mmなら、ほとんどの物が使用可能です。まずは、国内で簡単に入手できる使用可能なプラグから見ていきましょう。 |
●プラグあれこれ
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NGK BPM7A これが工場出荷時に付いてくるノーマルプラグです。たまにBM7Aが付いてくる場合があります。BPM7AとBM7Aの違いは絶縁体部分の突出があるかないかです。BPM7Aが突出タイプで、BPM7AとBM7Aを比較すると明らかにBPM7Aの方がよく回ります。もしもBM7Aを使っている場合は早急にBPM7Aをテストすべきです。 |
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NGK BPM7Y グリーンプラグと呼ばれる物で、BPM7Aの中心電極に90度の溝加工が施してあります。NGKのカタログによると、「確実に中心電極の外周寄りで飛火するため、着火性が良く、始動・加速・アイドリング安定性が向上し、燃費の節約になります」とありますが、昔からメーカーのカタログには良いことしか書いてありませんから、こういうことは右から左に聞き流しましょう。ようはこのプラグを付けると、自分の子供のタイムが上がるかどうか、だけですから。 |
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NGK B8HV Vプラグと呼ばれるもので、ネジ部のサイズは同じですが、上記2種類に較べてプラグの全長が長くなります。電極にはゴールドパラジュームという素材が使用されているらしいですが、具体的にどういう素材なのかよく知りません。 |
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NGK B8HVX 「プラチナでできた非常に細い(0.8mm)中心電極と、先のとがった外側電極により、さらに着火性能を向上させた高性能プラグ」、とカタログに書いてあります。 |
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NGK BP8HVX B8HVXの絶縁体部分の突出タイプです。突出タイプを付けると燃焼室容積が小さくなり圧縮比が上がります。また燃焼室内部での着火位置も変わることになります。 |
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NGK R5525-8 レーシングプラグと称して販売されているプラグ。最終的にこのプラグに落ち着く人が多いようです。たしかに、調子は悪く無いです。でもそれくらいです。値段が高いのが難点か。 |
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デンソー W24FS-Zu 「テーパーカット接地電極、プラチナ特殊合金中心電極の採用により高い飛火性能」、だそうです。外側電極の内側にU溝カットが施してあります。絶縁部の突出具合はB8HVXとBP8HVXの中間位です。 |
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SplitFire SF409B 「中心電極をV字型にすることで、3方向に活発で大きい火炎核を生み出すことを実現・・・」。やはりカタログより。販売会社がカート業界に積極的に営業していた時期があるようで、カートショップでカタログを見ることがあります。made in USAです。 |
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Hプラグを付けると、プラグの全長が長いためプラグキャップが浮きます。結果としてシリンダーカバーとプラグキャップの間に隙間でできるため、シリンダの周りに流れる冷却空気量が本来の設計値と変わることになります。夏場はいいかもしれませんが、冬場は冷え過ぎになるかもしれません。それで同じキャップのつばの部分だけ切り取って、プラグに2重にはめて密封します。ずいぶんと芸が細かいのです。細かいといえば、プラグを締め込んだ時の、プラグギャップの向きも気にしたいところです。碍子の部分にマジックで電極の開口方向を目印しておけば、どっちの方向に向いているかが分かります。このギャップが吸気ポートの方に向いてるのと、排気ポートの方に向いているのと、どちらがいいんでしょうかね。人に聞いても、意見が分かれるところです。新品のときはワッシャが厚いので、180度位は調整可能ですよ。あと当然ギャップの間隔調整なんかも、すごく気にするといいと思います。なにしろ唯一の変更可能パーツなのですから、徹底的にやってみましょう。 |
●メインジェットに関して
| メインジェットは、#65、#67.5、#70、#72.5、#75、#77.5のように#2.5間隔で用意されています。標準的なセッティングは次ぎのとおりです。 ノーマル30:#65〜#70、スペシャル30:#67.5〜#72.5、ノーマル40:#67.5〜#72.5、スペシャル40:#70〜#75 (ノーマルとはノーマルマフラ使用時、スペシャルとはNFマフラ使用時です) その日の気候や、プラグの焼け具合と相談して選択します。ジェットの番手により、低中速トルクや高速の伸びがかなり変わる場合があります。エンジンの個体差により、適切な番手が異なることもありますので、あくまで自分のエンジンの調子を判断して番手を選ぶようにしてください。(あまりパドックでの怪情報には耳を傾けないほうがいい場合もあります) |
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細かいところでは、ニードルの部分をばらすと分かるのですが(左の写真は良く映っていないので見ずらいですが)、クリップの位置を変えてニードルの飛出し量を調整することができます。5個の溝があり標準はクリップが真中に付いています。例えばこれをずらしてニードルを引っ込める方向にすれば、アクセルの踏始めのガスの吐出量を増やすことができます。 「今日はジェットXX番のニードルを1段引っ込め」などと、こだわりの人がいます。でもそういう人の子供って、ちゃんと速いんですよね。 あとキャブレターに関しては、レース前は必ず分解清掃しましょう。分解は簡単ですので、ストレーナーやガソリンの経路をパーツクリーナーでよく洗ってください。意外とゴミ詰まりのトラブルは多いです。 |
●クラッチ、クラッチスプリングに関して
| クラッチの異常磨耗を起こしているマシンがありますが、これはブレーキとアクセルの踏み分けができず、同時に踏んでしまっているドライバーに多く見られます。クラッチシューのチェックは定期的に行なうようにします。またクラッチスプリングはレオン純正強化スプリングに交換可能です。これによりミートタイミングが約2,000rpm上がります。体重の重いドライバーの場合はスタートダッシュが改善されるようです。 |
●混合ガソリンに関して
| ガソリンは市販のハイオクガソリンを使用します。オイルはカート用の化学合成油でしたら、ほとんどなんでも大丈夫です。好みで銘柄を選んでください。ただ植物油はカーボンがエンジン内部に付着する元となりますので、使い放しにする場合は避けた方が無難です。回っても、高々9,000rpmのエンジンですから、オイルにはあまり気を使う必要は無いでしょう。混合比は30:1〜40:1です。ちなみにレオンのシリーズ戦ではレース当日の混合ガスは主催者から支給されます。オイルの銘柄はALISYN(アリシン)で40:1です。普段の練習時もこの混合ガスでテストしておくといいでしょう。 ALISYNオイルに関する問合せ先:フェアグランドの今井さんまで(TEL 03-5494-8753) |
●オーバーホールに関して
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エンジンのオーバーホールですが、これはそう簡単にできませんので、専門家に頼んだほうがいいと思います。ある程度使って、パワーが落ちてきたかなと思ったときや、他のカートに較べて直線が遅い、などと感じたときはオーバーホールをしてみましょう。ピストン、ピストンリング、ベアリングやオイルシールは消耗品です。クランクの「芯出し」もカートエンジンのオーバーホールとしたら標準メニューでしょう。それから最近の流行で、大人のカートでもマイクロロンを使う人が増えています。これも気分の問題程度かもしれませんが、「良くなるかもしれないことはすべてやる(もちろん費用対効果も大事ですが)」のがレースの基本精神ですから。直接金属が触れ合う面に塗るペースト状の「アッセンブリ・ルブリカント(左の写真)」が即効性があります。一般のクルマではガソリンに混ぜて使うものが主流ですが、それだと効果が出るまでに時間がかかりますし、基本的にはレースで使うガソリンには、オイル以外の添加物はご法度です。 なんでもない2サイクルエンジンですが、やはり精密機械です。リビルドのやり方や、組上げ方(各所のボルト穴は幾分大きめに空いてますから、例えばシリンダやCDIの位置は微妙にずらして固定することが可能です)、ボルトの締め付けトルク等、職人芸の領域です。分かっている人が組んだエンジンとそうでないエンジンとは、大きな違いがあることを肝に命じてください。改造が許されないカテゴリで許される唯一のチューニングが、オーバーホールだと思います。 マイクロロンに関する問合せ先:協和興材の吉田さんまで(TEL 03-3929-8581) |